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ウランガラス(ウラニウムカラーガラス)について


UVライト(ブラックライト)の照射で鮮やかな緑色に妖しく光る特殊なカラーのガラスです。 主に純度の高い淡い黄色、ついで緑色(他の資材の混ぜ合わせによる色変化)で占めます。当店では主にチェコで生産されたウランガラスを扱っています。

どうして光るの?

着色にウランを使用し、その特性を生かした蛍光色を楽しめます。ウラニウムガラスはウラン酸化物を添加することで製造されます。通常は淡い蛍光色ですが、紫外線光源の下では放射線を吸収して可視光に変換する結果、鮮やかに発光します。

そもそもウランって何?

ウランは自然界から採れる放射性重金属です。地球上の岩石のほとんどに存在します。海水中からも発生します。 発見者はドイツの化学者マーティン・クラプロートで、当時発見から間もなかった Uranus(天王星)にちなんで名付けられました。 採掘されたウラン鉱石の多くは原子炉燃料として活用されます。ウランは世界の電力の10%ほどを占めます。

ウランガラスのうさぎの置物 (販売ページはこちら
オーバーレイ(バイカラー)のハンドカットストーン (完売につき非売品)

ウランガラスの安全性と取り扱いについて

現在生産されているウラニウムガラスに含まれるウランの量はごくわずかであり、微弱な放射線を放出しますが、通常の使用条件下では健康に害を及ぼすものではありません。自宅に飾ったり、直に触れても支障はありません。ですが、削った粉を口に含んだり、常飲したりしないよう良識的な範疇でお楽しみください。それらは積極的に摂取する行為にあたります。
現在の安全性の基準において生産された食器類の使用は、健康被害の懸念はほぼ問題ありませんが、一方でアンティーク等の経年のある製品は、実用品ではなくあくまで観賞用です。軽微な破損や汚損といったダメージが見受けられることがある上に、国内で流通している舶来品のアンティーク食器類の多くは、食器用途としての検疫検査を通していません(観賞用としての利用目的であれば、届け出のみ、無検査で輸入が可能)。
ウランガラスに限らず、チェコビーズ、雑貨の破損には十分注意し、丁寧にお取り扱いください。

ウランガラスの誕生・生産について

ウランガラスの製造および生産には複数の国、人物、企業が携わっていますが、一般的にはフランツ・リーデルが初の生産者、チェコが起源とされています。
チェコにおけるウランガラスの誕生は、19世紀に当時ボヘミアのハプスブルク家の銀山から抽出されたウランをガラスに添加したことが始まりです。
フランツ・リーデルは製造した黄色と緑のウランガラスにそれぞれ”アンナ・ゲルブ(アンナ・イエロー)”、”アンナ・グリュン(アンナ・グリーン)”と娘の名前を冠しました。
以降、チェコをはじめとして、ヨーロッパ各地のガラス工場でウランガラスが生産されるようになり、20世紀初めまで数多くのウランガラス製品が生まれています。
日本でも米国から製造技術が伝わり生産されるようになりました。
規模の大きい生産地は米国ですが、大戦時下ではウラン供給が政府の元に集約されたため、ウランガラスの生産は一時ストップします。冷戦後の規制が撤廃されて以降は、ピーク時に比べてはるかに少ないものの世界各地(主に米国、チェコ)で生産され続けています。


ウランガラスの大量生産に功績を博したリーデル社は、何代にも渡ってガラスの生産を続けますが、大戦によって工場、製造技術、私有含む財産の一切合切を接収され、投獄、徴兵、土地を追われる形で他国に逃れ、スワロフスキー家の支援を得て、子息と共にオーストリアで再生を図っています。洗練されたワイングラスで世界有数の大企業として現在に至ります。

ちなみに世界最古のウランガラスは、西暦79年ローマで、モザイク壁画に使われた一部に使用されたものです(発見は1912年)。

ウラン自体の発見は1789年で、発見者のドイツの化学者マーティン・クラプロートは、ウランの他、さまざまな元素を発見した功労者でもあります。

チェコガラスの透明色のウラニウム含有色 <※()内は当店における呼称>

  • 80100(ジョンキルイエロー0)
  • 80120(ジョンキルイエロー2)
  • 80130(ジョンキルイエロー3)
  • 50800(ウラニウムグリーン0)
  • 50810(ウラニウムグリーン1)
  • 50820(ウラニウムグリーン2)
  • 70990(ゴールドフィッシュ)淡い橙色から蛍光イエローグリーンに光ります。
※ちなみに80000〜80040番台に当たるイエローも(オレンジ調に)光ります。昔は黄〜赤系統のガラスに、カドミウム、セレニウム(セレン化カドミウム)が使用されていました(現在も一部カラーに混在)。

不透明、オパール(乳白色)、アラバスター、シルクのウラニウム含有色 <※()内は当店における呼称>

  • 53110(グリーンオパック)
  • 53120(グリーンオパック)
  • 83540(ホワイトオパック)
  • 81000(ジョンキルイエローオパール)
  • 61100(ミントグリーンオパール)
  • 81300(ジョンキルイエローオパールアイ)
  • 82000(イエローアラバスター0)
  • 82010(イエローアラバスター1)
  • 52000(グリーンアラバスター0)
  • 52010(グリーンアラバスター1)
  • 52020(グリーンアラバスター2)
  • 54200(グリーンシルク)
  • 84000(ホワイトシルク)
  • 84010(ジョンキルイエローシルク)

ムーンシャイン、オーバーレイのウラニウム含有色 <※()内は当店における呼称>

  • 56200
  • 56206
  • 56207
  • 56208
  • 17801
  • 27501
  • 27801
  • 37501
  • 57011
  • 57101
  • 57301
  • 57334
  • 57506
  • 57701
  • 57711
  • 57713
  • 57801
  • 67401
  • 67801
  • 77501
  • 87011
  • 87201
  • 87301
  • 87311
  • 87601
  • 87701
  • 88126

ウランガラスこぼれ話

※シルクの54200と、オパックの63100は酷似したカラーですが、オパックは反応しません。


※シルクの84000と、04000は酷似したカラーですが、04000は反応しません。


※ウラニウム以外の素材でブラックライトに反応するカラーもあります。アンチモン、マンガン等。チェコガラスではほぼ無色からピンク系に発光する70000番等。
※製造不良で他のカラーが混入しているケースがあります。それらのケースにおいては、本来光らないはずの品番でもUV反応が見受けられます(黄オレンジに光っているのはカドミウム)。
※ビーズの製造先に確認したところ、写真真ん中下部のカラーには、ジョンキルイエローも使われているそうです。一見トパーズとサファイアの2色に見えるものの、ジョンキルを加えた3色混合。

チェコ以外のウランガラスについていろいろ

・欧米では俗にワセリンガラスと呼称されます。軟膏の色に似ていることから命名されました。元々は透明な黄色のウランガラスが由来ですが、近頃はウラン着色ガラスの全般を示していることが多いです。

・加工、色合いの種類によって、カナリアガラス、ジェダイトガラス、カスタードガラス、ビルマガラス等、透明、不透明と様々な種類があります。

・頻繁に見かけるディプレッションガラスという名称は、米国における色付きガラスの総称であり、ウラン以外の他の着色も含めます。手作業による手間暇のかかるクリスタルガラス製品とは異なり、プレスで容易に量産が可能なため、家庭に普及しました。これらの多くは数十年に渡って生産され続けた上、復刻版も存在します。一部、生産量が少ない銘柄もあります。

・ウランはガラスの着色の他、陶磁器の釉薬にも使われていた時期があります。有名なもので米国のFiestawareがあります。

ウラニウムカラーのチェコビーズ、ウランガラス製品を高額で取引しているケースも見かけますが、他のカラーと比較しても特別高価なカラーではありません。あくまで多色ある中の1色に過ぎないということです。適正の価格帯でのお求めを推奨します。
ヴィンテージであっても家庭用に量産された製品は多数あるため、それらは初心者でも入手しやすいです。一方で価値の高いとされるウランガラスの製品は、特定のメーカーや、芸術的価値の高い製品に限られます。

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当店のチェコビーズは生産所や製造者によって異なる特性を持っていますので、同じデザインのビーズでもそれぞれ独自の個性があります。ビーズの形や色にわずかな違いや微細な傷、軽微な変形、気泡などがあることがありますが、これらは製品の素朴な魅力の一部とお考えいただければ幸いです。>ビーズのダメージについて

品質の一貫性を保つのは難しいですが、常にロットごとにより良いコンディションを持つ製品を提供するよう心がけています。またダメージ品を補えるよう、予備をお入れしています(予備無しの場合は別途記載あり)。

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