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チェコガラス製造国営化前の色見本(リーデル社)※改稿中につき一部掲載※
色名の呼称について気になったので、チェコガラス製造の国営化前、つまり戦前・戦中の頃ですね、ボヘミアの色ガラス製品が確立された時点での分類を炙り出してみようと思います。そこで、私が所有しているウランガラスで有名なリーデル社のカラーサンプルリスト(1935 N. Bohemia/Czech)から抜き出してみました。
リーデル・色名リスト
色名(独) | 和訳 | 補足 |
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aquamalin | アクアマリン | |
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aquam. grünlich | アクア+グリーン | 水色寄りの緑 |
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grünaquamarin | グリーンアクアマリン | 緑寄りの水色 |
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signalgrün | シグナルグリーン | |
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annagrün | アンナ・グリーン | ウラニウムグリーン |
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annagelb | アンナ・イエロー | ウラニウムイエロー |
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aquamarinfein | アクアマリンファイン | 彩度の高い水色 |
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champagnergelb | シャンパンイエロー | |
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goldfisch | ゴールドフィッシュ | 現在の70990 |
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goldgelb | ゴールドイエロー | |
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brillantgelb grünlich | ブライトイエロー+イエローグリーン | 現在のアンバー |
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hyazinth | ヒヤシンス | 橙色 |
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neurubin | ニュールビー | 現在のシャムレッド |
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rosalin | ロザリン | 黄み寄りピンク |
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rosa | 現在のフューシャの高彩度色 | |
massivrosa | ソリッドローズ | 現在のフューシャ |
topas | トパーズ | |
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rauchtopas | スモークトパーズ | 灰色がかったトパーズ |
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zigeunerbraun | ジプシーブラウン | 濃茶 |
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kristal | クリスタル | 無色 |
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flieder | ライラック | |
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violett | ヴァイオレット | 現在のアメジスト |
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blau | ブルー | 現在のサファイア |
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veilchenblau | パープル+ブルー | 青寄りの紫 |
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montanblau | モンタナブルー | |
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stahlblau | スチールブルー | |
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flieder bläulich | ライラック+ブルー | |
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grau | グレー | グレーはhell,dunkel,bläulichの3段階 |
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stahlgrün | スチールグリーン | |
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grün | グリーン | |
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resedagrün | レセダグリーン | 黄みの強い緑 |
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moosgrün | モスグリーン | |
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chrysolith | クリソライト | |
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grünaquamarin | グリーン+アクアマリン | 現在のティール、ジリコン |
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上記のリストは透明色のみです。他のバリエーションについてはまた時間ができた時に行います。
リスト上では、上記の色名で分類され、各色ごとに0から数十の彩度に分けられ、シリアル番号がナンバリングされています。淡い色のみで展開される色や単色のみであったりと、その扱いはカラーごとに異なります。中でも、緑系のバリエーションが非常に多く、これらの透明色だけでも全体の1/3を占めるほどです。色味も複雑で例えば resedagrün だけでもさらに3パターンに分類されます。
その他、不透明色などもユニークな色名が付けられており、個々に思い入れがあったことを示します。単なる思い付きもあるでしょうが、番号のみに比べると感慨深いです。愛着も湧きますね。『この13030番』よりも『このイザベラ3番』など。
現在のプレシオサのカラーリストとざっと比較すると、体系そのものは変化がないことから、最初に述べたとおり、この時代で既にチェコガラスの製造色が確立されていると考えていいでしょう。
精度の高い比較については、双方の製造番号が一致しない故に、成分レベルの調査を要するため、製造サイドでもなければ行えない次第です。
色ガラスのジュエリーは、高価な本物の代用、いわゆるイミテーションの位置付けなので、色石に例えられるのは自然な流れだと思います。
しかしながら、これらのリストから、色名を貴石・半貴石名に置き換えて呼称されるのは、戦後になってからだと考えられますね。どういった経緯でそうなったのか、詳細は不明です。『(この頃の)どこどこの企業では既にこう呼ばれていたよ』というのをご存知の方はソースと一緒にお寄せいただければ幸いです。
今日のプレシオサのラインストーンにはほとんどの色名に貴石名が付けられているので、そちらもまとめて書き出してみました。
≪プレシオサのストーン色名一覧≫
余談ですが、このリーデルのリストには工場別に独自の繊細な色展開があって、上記の基本色の他に、antik、beryll、japantopas、wasserblau等、それらが現在のチェコガラスに見られないのは残念です。資材調達や製造現場の関係もあるのかも知れませんが、近代のセンスに叶う、目にもわかりやすい色が起用されがちなのでしょうか。
リーデル社は現在、オーストリアで世界的にメジャーなワイングラスの企業として発展しています。リーデル社の歴史および歴代の功績については、公式サイトで見ることができます。HISTORY & GENERATIONS - riedel
ちなみに上記のリストは7代目の時代に作られた製品サンプルブックからの抜粋です(サンプルブック、画像ともに弊社所蔵のもの)。
当店のチェコビーズは生産所や製造者、クオリティがビーズごとに異なります。同じ型であってもまったく同じものはありません。基本的に、形状や色合いは個体差が生じ、小傷や変形、気泡が見受けられる製品です。そのため一律に保った品質基準での選別は難しく、ロットごとにコンディションの良い製品を販売しています。
あらかじめ予備をお入れしているので、少量のダメージはそれらでカバーしてください。その他、不具合はお手数ですがお問い合わせフォームよりご連絡ください。
領収書は発行しておりません。納品書(明細書)を同封いたします。
梱包や包装はシンプル且つ簡易なものを採用しています。商品タグやラベルも付属しません。特別な販促サービス、おまけやメッセージカードも付与しません。それらは少しでも製品にコストが回せるよう、当ショップの方針です。ご理解いただいた上でのご利用とみなします。